円満相続の秘訣
円満相続の秘訣
みなさん、円満相続の秘訣は何だと思いますか?
私は、「相続人同士がお互いを理解すること」だと思っています。
それぞれがお互いの立場、状況、考え方を尊重し、理解し合えば、譲り合う気持ちが生まれるはずだからです。
例えば、親の面倒を見てくれた人の計り知れない苦労や、先祖伝来の不動産を引き継いでいくことの苦労などについて、
それぞれのおかれた境遇を忌憚なく話し合ってみてください。
もし、ご自身のおかれた状況が他の方に理解されていないと感じたら、遠慮なく言葉を発し、
理解してもらうようにしましょう。お互いを理解しようとする努力は必ず円満相続につながるはずです。
この方法以外にも、争族を防ぐ方法はあると考えています。
それは、親の意向を伝えるということです。実は、親の意向はかなりの威力を発揮します。
子供としては、親の意向にはなかなか逆らえないものです。
そのため、相続が開始してから親の意向と違う主張は通常ならばしにくいものです。
必ずしも、遺言という形式にこだわらなくてもいいのです。
親は、ご自身の気持ちを家族にそれとなく伝えるのも良いでしょう。
また、はっきりと家族会議の場で伝えるのも良いと思います。
しかし、親が自分の意向を伝えたがらない場合はどうでしょうか?
親が自分の意向を伝えたがらない場合で、
もともと不仲の兄弟がいたとします。
その場合は、それぞれの相続人は親が相続についてどう考えているのかを聴いてみるべきでしょう。
自分にとって都合が悪い分割案であれば、親にその場で思い直してもらうように説得することが大切なのです。
さきほども述べたように相続が開始してから親の意向と違う主張はしにくいからです。
また、兄弟間の対立が激しい場合は、親の意向に対して片方ないし双方からかなり強い抗議があるかもしれません。
しかし、どうせもめるのであれば、親が元気なうちにもめたほうがいいと思います。
なぜなら、絶対の権力を持つ親がそこにいるのですから。
子供たちはいろいろな言い分はあるでしょうが、最後に親は「これで行く」と決めればいいのです。
なぜなら、ご自身の財産だからです。「何が文句あるんだ」ということです。
それでも、この考えに子供たちが言うことを聞かなそうならば、・・・・・。
そうなったら、遺言書を書きましょう。
争族はつらいものです。しかし、もし争続になったとしても、「あの時こうしておけば良かったのに」ということには絶対ならないようにしていただきたいと思っています。
- ~円満相続のポイント~
- ■相続人同士の意思疎通ができている
- ■親の意向を伝えている
- ■親の意向が分からない場合は、聞いてみる
- ■意向が伝わらない場合は、遺言書を書いてみる