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相続とは何か?

相続とは

相続の開始の原因
民法882条
相続は、死亡によって開始する。

相続の一般的効力
民法896条
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。
ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

法律の条文では何のことかよく分かりませんね。もう少し簡単に言うとこうなります。

相続とは、亡くなった人の財産がその死亡によって、亡くなった人の子や妻など一定の身分関係をもつ人に
移転することをいいます。その財産は、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も含みます。

少し分かりやすくなったでしょうか。

相続について無責任な高田さん(仮名)の場合
遺産分けについて高田さん(仮名)とこんなやりとりがありました。
「俺が死んだ後は女房と子供がうまくやってくれるから大丈夫だよ。」
「でも社長の財産は不動産が多くて、分けるのは結構大変じゃないですか?」
「うん、それはそうなんだけど、なんだか考えるのが面倒臭くてね。まあ、残った人間でなんとかするんじゃないの?」
高田さんはアパートをかなり持っている方です。ご自身は、40年近くもアパート経営をされてきました。しかし、奥様とお子様たちはアパート経営などやったことがありません。
高田さんには申し訳ないですが、ご家族にとって不動産はやっかいな財産になりかねません。
高田さんのように「自分が死んだ後のことは、残ったみんなで頼むね。」という考え方は
奥様とお子様に対して無責任といえます。

事例の高田さんのように、財産が沢山あるわけではない人は
「うちはそんなに財産はないから、相続っていっても関係ないよ。」
「相続って、金持ちの人の問題でしょう?うちは相続税は関係ないですね。」と思われているかもしれません。
しかし、本当にそうなのでしょうか?下記の統計を見て下さい。

<遺産分割調停事件の遺産価格内訳>
遺産の価格 件 数 比 率% うち遺産に
土地建物あり
うち遺産に
土地建物なし
1,000万円以下 2,470 31.3 2,371 99
1,000万円超5,000万円以下 3,571 45.3 3,452 119
5,000万円超1億円以下 910 11.5 888 22
1億円超5億円以下 571 7.2 564 7
5億円超 41 0.5 39 2
算定不能等 329 4.2 313 16
合  計 7,892 100 7,627 265
(最高裁「司法統計年報 平成23年、家事事件」より)

いかがでしょう?
財産がそんなにないご家庭の方でも結構もめています。
「相続税を払うのは、一部の金持ちばかり。もめるのはそういう人達だけだよね。」
統計を見るとそうとも言えない状況です。

自分が死んだ後の事について考えるのは面倒でしょう。
しかし、ご自身が亡くなった後にご家族がもめないよう、ご自分の相続についてもっと真剣に考えてほしいのです。
人は必ず死を迎えます。そして、後に残された人に必ず相続は起こるのです。
また、世相を反映してか、子供のほうも親の財産のうち何をもらえるのだろうと当てにしていることがあります。

巷にあふれる本を読むと、相続に関するトラブルばかりが強調されているように見受けられます。
確かに相続争いはいたる所で発生しています。なかには、問題が解決できずに何年ももめるケースもあります。
3年から5年はもめているケースを経験しました。
弁護士の方にお話をうかがうと、10年以上ももめてまだ決着がつかないケースもあるそうです。
心がボロボロになりそうです。
しかし、あなたが相続について前もって真剣に取り組み、対策を練っていれば、
もめることなく円滑に相続を行うことができるかもしれません。
相続を円満に行うことができれば、家族・親族の絆を強めるきっかけになるのではないでしょうか。
私はそう強く信じています。

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